町場と野丁場の違い
今年で丸8年建築業界に身を置いていますが、前半3〜4年は野丁場を主な主戦場とし、それからは野丁場を離れて町場に活動の場を移しています。
そんな僕が感じる町場と野丁場の違いを今回は綴りたいと思います。
まず野丁場なんですけど、一言で言えば戦場です。笑 1000人以上の建築業者が一つの現場でひしめき合い各々が自分のタスクをこなすのに必死で、隙を見せればすぐに後手に回されるような環境で仕事をしていました。
幸運なことに僕は20歳のクソガキの時から1000人以上の規模の現場で職長を経験させてもらっていました。ここでの経験は普通の人では味わえないような貴重なものだったと思います。
とにかく舐められないように必死でした。
一瞬でも隙を見せようものなら刺されてしまう環境で毎日神経をすり減らしていました。
何十個も年上の職人たちと駆け引き繰り返し、怒鳴られては応戦し(笑)、家に帰る頃にはHPはゼロ。
職長会議では場所取り合戦や工期の奪い合い(笑)、
右も左も分からないまま打ち合わせをしては親方にダメ出しを喰らい、また打ち合わせをしては再び親方のダメ出し。かなりの人達に迷惑をかけながら沢山の経験を積ませていただきました。
そして野丁場の特徴的なところは、完全分業制です。完全分業制の良いところは効率性の向上が図れるところです。…それだけです。笑
これが野丁場を根幹から腐らせてる根源です。
完全分業制のせいで"優秀な漢職人"以外、全員が他責思考に逃げて仕事をしています。下地がダメだとかどこどこの業者がどうだとか…
結局効率性もクソもありません。笑
さらに労働環境も劣悪です。
まぁ言うとキリがないので今回はこの辺にしておきます。
それに比べて町場は、まず空気が穏やかです。
職人同士が互助の関係性を確立していて、お互いをサポートしあっているので作業効率も良いし、精神衛生上も健康的です。
一日中気を張っている野丁場とは打って変わって、精神的疲労がほとんどありません。僕が仕事終わりの活動を積極的に行えるようになったのは間違いなく町場に主戦場を移したからです。家に帰っても脳のリソースが残っているので活動が可能なのです。
そしてもう一つ特徴を挙げるとすれば、多能工的なスキルが身に付きます。分業制とは違い幅広く仕事をこなせなくてはいけないので、いやでもスキルが向上します。僕自身も町場での成長スピードの違いを実感してます。
纏めると、
野丁場は戦場。町場は職場。こんなところです。
とまあ現場の環境について語りましたが、
今の僕が直面している課題は、現場スキルではなく、営業スキルです。
今はそれにしか興味がありません。
とはいえ来月にはタイル張り一級技能試験が控えているのでそこは難なくクリアしたいところではあります。
20代のうちに身につけておきたいスキルを明確にして、しっかりと社会で生き残れる社会人になれるよう、これからも精進します。
現場からは以上です。
↓下の写真は町場のタイル工事です。
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